夜の空気がひんやりしてきた。
つい数週間前まで寝苦しかったのが嘘みたいに、
秋の風がすっと部屋に入ってくる。
息子はもう夢の中。
「ママおやすみ〜」って言った数分後には寝息をたてていて、
その無邪気さに思わず笑ってしまう。
だけど私はというと、少しぼんやり。
最近、どうも頭痛が続く。
寝つきが悪くて、眠れても浅い。
朝起きても「スッキリ！今日も元気★」…なんてことはなくて、
枕から頭を上げた瞬間に「はぁ…」と声が漏れてしまう。
きっと夏の疲れがまだ抜けていない。
それに加えて季節の変わり目の気圧変動。
頭の奥がじんわり重くて、まぶたもぽってり。
“永遠の25歳”って言ってるけど、
こういう時に年齢を感じてしまう。
今日も、夕方にちょっとイライラしてしまって、
息子のペースに合わせる余裕がなかった。
夜、息子の寝顔を見ながら
「ごめんね、ちょっと疲れてたんだ」って心の中で謝る。
そして自然と始まる“ひとり反省会”。
「もっと優しく言えたはず」
「もっと心に余裕持ちたい」
…そうやって自分を責めてしまう。
でも、ふと気がついた。
疲れてるから優しくできないだけ。
だったら、責めるより、まず休ませてあげたい。
そこで、ずっと気になっていたことを思い出した。
ヘッドスパ。
友達が「頭ほぐすと睡眠の質変わるよ！」と言っていたのと、
最近SNSやYouTubeでもよく見かける。
「癒し」「副交感神経」「自律神経」「小顔」…
なんて魅力的なワード。
気づいたら“ヘッドスパ 自分で やり方”で検索してた（笑）
動画を開くと、優しいBGMと落ち着いた声の先生。
「耳の後ろをゆっくり押します」「頭皮をもみあげるように」
言われるままに指を動かしてみる。
最初はぎこちないけど、
こめかみあたりをゆっくり押した瞬間、
「あ、ここだ…！」っていう感覚。
じわ〜っと血が流れるみたいに頭が軽くなっていく。
目の奥のしびれがスーッと抜ける感じ。
耳の後ろをくるくる押すと、
さっきまでズキズキしていた頭がふんわりしてきた。
「わたし、こんなに頑張ってたんだなぁ」
自分の頭を自分で労わるって、
こんなに癒されるんだ。
動画の先生が言った
「自分を大切にしてあげる時間ですね」
という言葉に、ちょっと泣きそうになった。
気付けば肩の力が抜けて、呼吸も深くなっていた。
ヘッドスパってすごい…！
（もちろん、誰かにやってもらえたら最高だけど♡）
ケアを終えて鏡を見たら、
目元が少しスッキリしていた。
心までほぐれた気がして、
今日の自分にちょっとだけ優しくなれた。
思った。
完璧じゃなくていい。無理しなくていい。
疲れた時は、自分に「ちょっと休もうね」って言ってあげたい。
それが、優しさのはじまり。
そして、結果的に息子にも優しくできる。
明日は今日より、もう少しだけ穏やかなママでいられるといいな。
また夜になったら、
あのYouTubeを再生して、ゆっくり頭をほぐそう。
秋の静かな夜。
耳元をかすめる風が、
「よく頑張ってるよ」ってささやいてるみたいだった。
――今日のわたし、ちゃんと生きた。
それだけで十分。
明日も、ゆっくりいこ。
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