夜風が少しひんやりしてきた。
窓を少し開けると、ふわっと涼しい風がカーテンを揺らして、
夏には感じられなかった静けさが部屋に広がる。
息子はすやすや寝息を立てている。
今日もたくさん笑って、食べて、走って、
「ママ〜!」と何回呼ばれただろう。
もう少し静かにしてほしいと思った瞬間もあったけど、
こうして寝顔を見ていると、全部幸せだった気がしてくる。
でも今日は、少しだけ自分の心が揺れた。
何でもないことでイライラしてしまったり、
急いでほしいタイミングで息子がゆっくりしていて焦ったり。
夕方、洗濯物を畳みながら、
「あぁ、また声を荒げちゃった…」と自己嫌悪。
そんな日は、夜になると自然と“ひとり反省会”が始まる。
なんであんな言い方しちゃったんだろう。
もっと笑って返せばよかったのに。
子どものペースに合わせてあげたいって思ってたのに、
気づけば自分の都合ばかり押し付けてる気がする。
でもね、最近気づいた。
こうやって反省できるのは、
ちゃんと向き合っている証拠なんだって。
子育てに正解なんてなくて、
“うまくやれた日”と“ちょっと疲れた日”があるだけ。
大事なのは、次に少しだけ優しくできること。
それで十分なんだ、っていう気持ちが
少しずつ自分の中に育ってきた。
今日は、久しぶりに夜のお茶を入れた。
カモミールに少しだけハチミツ。
湯気の向こう側で、自分の気持ちがゆっくりほぐれていく。
「今日、ちょっと頑張りすぎたかもね」
自分にそう声をかけると、
肩に入っていた力がふっと抜ける。
SNSを見れば、
丁寧に暮らしてるママ、
毎日笑顔のママ、
完璧に子育てしてるように見えるママ。
けど、どんなママにだってきっと夜の静寂があって、
こうして“自分と向き合う時間”があるんだと思う。
今日だめだったところは、明日ちょっと変えればいい。
今日できなかった優しさは、明日少しだけ足せばいい。
そうやって、ひとつずつ積み重ねていく。
最近は、
「完璧なママ」より
「ちゃんと悩めるママ」の方が、
きっとあったかいんじゃないかって思う。
息子の寝息に耳を傾けながら、
ふと窓の外を見ると、月が静かに光っていた。
季節が変わるとともに、
わたしの心もちょっとずつ変わっていく。
秋の夜は考えすぎてしまうけれど、
その分、優しくなれる季節でもある。
明日はもう少しゆっくり話を聞いてあげよう。
「早くしなさい」じゃなくて、
「一緒にやろうか?」って言えたらいいな。
そんなささやかな目標を胸に、
今日のひとり反省会は終了。
カップの底に少し残ったハーブティーを飲み干して、
小さく深呼吸。
――今日もちゃんと生きた。
それだけで、十分。
少し冷たくなった夜の空気が、
明日への優しいエールに聞こえた。

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